マーケティングオートメーションの基礎:BtoBビジネスでの活用法
はじめに
「お客様への営業メールを一人一人に送るのが大変...」
「せっかくお問い合わせをもらったのに、フォローが追いつかない...」
「どのお客様が今、検討段階にいるのか分からない...」
こんな悩みを抱えていませんか?このコラムでは、BtoB企業(会社対会社のビジネス)が抱えるこうした課題を解決する「マーケティングオートメーション(MA)」について、初心者の方でも分かりやすく解説します。具体的な事例を交えながら、あなたの会社でどう活用できるかをお伝えします。
1. マーケティングオートメーションって何?
1-1. まずは身近な例で理解しよう
マーケティングオートメーション(MA)を一言で表すと、「営業活動の一部を自動化してくれる仕組み」です。
例えば、こんな経験はありませんか?Amazonでの買い物を思い出してください:
- カートに商品を入れたまま買わずにいると、翌日「まだカートに商品が残っています」というメールが届く
- 過去に本を買った人には「おすすめの新刊」のメールが届く
- 誕生日が近づくと、プレゼント商品の提案メールが届く
これらは全て「マーケティングオートメーション」の仕組みです。お客様の行動に合わせて、適切なタイミングで適切な情報を自動的にお届けしているのです。
1-2. BtoB企業が直面している現実的な課題
もしあなたが会社のウェブ担当者だとしたら、こんな状況に直面したことはないでしょうか?
- 社長や営業担当者が一人で何役もこなしている
- ホームページはあるけれど、問い合わせ後のフォローが手薄
- メールマガジンを送りたいけれど、手作業で時間がかかりすぎる
- どのお客様が購入を検討しているのか把握できていない
ウェブ担当者ではなくても似たような状況を社内で見たことがあるかもしれません。
私たちが過去にサポートしていた製造業のA社さんでは、月に10件程度のお問い合わせが来ていたそうです。しかし、営業担当者1名では全てのお客様に十分なフォローができず、せっかくの商談機会を逃していました。特に、資料請求だけして連絡が途絶えるお客様が多く、「もったいないな...」と感じていました。
1-3. なぜ今、BtoB企業にMAが必要なのか
BtoBビジネスには、個人向けビジネス(BtoC)とは違う特徴があります。他の記事でも述べていることですが、改めて整理しておきます。
BtoBビジネスの特徴
- 決定に時間がかかる:個人の買い物と違い、会社として検討するため数ヶ月〜1年かかることも
- 複数人が関わる:実際に使う人、予算を決める人、最終決定する人がそれぞれ異なる
- 情報収集が重要:高額な買い物が多いため、慎重に検討する
例えば、お客様から「資料が欲しい」と連絡があったとします。従来なら...
- 資料を送付
- 1週間後に電話でフォロー
- 「まだ検討中です」と言われる
- では1ヶ月後にまた連絡します...
忙しくて連絡を忘れてしまうのが結果に。
この間、お客様は他社の情報も集めており、気がつくと他社に決まってしまった…という経験はありませんか?
これがもし、MAツールがあると...
- 資料請求があった瞬間に、お礼メールを自動送信
- 3日後に関連する成功事例を自動でメール送信
- 1週間後に無料相談の案内を自動送信
- お客様がホームページを頻繁に見ているか自動でチェック
- 「このお客様は検討が進んでいそう」と分かったタイミングで営業担当者が電話
つまり、お客様を放置することなく、適切なタイミングで適切な情報を提供できるのです。
2. MAの基本的な機能を分かりやすく解説
2-1. MAは「優秀な営業アシスタント」だと考えよう
MAの本質は、単なる効率化ツールではありません。「お客様一人一人に合わせた気配りができる、優秀な営業アシスタント」だと考えてください。
従来の営業活動
営業担当者が覚えている情報:「田中さんは先月資料請求をした。そろそろ連絡してみよう」
MAがある営業活動
システムが教えてくれる情報:「田中さんは先月資料請求をして、昨日ホームページの料金ページを3回見ています。導入事例のメールも開封しています。今がアプローチのチャンスです!」
2-2. MAの3つの基本機能
MAには主に3つの基本機能があります。料理に例えて説明してみましょう。
① 見込み顧客の獲得(リードジェネレーション)=「食材を仕入れる」
具体的には...
- ホームページの問い合わせフォーム
- 資料請求
- セミナー申し込み
- 無料お試し申し込み
実例:B社の製造業
B社は毎月開催する「生産性向上セミナー」の申し込みフォームを改善しました。従来は「会社名・氏名・連絡先」だけでしたが、「現在の課題」「従業員数」「いつ頃導入予定か」も追加。これにより、より詳しい顧客情報を獲得できるようになりました。
② 見込み顧客の育成(リードナーチャリング)=「食材を美味しい料理に育てる」
お客様は最初から「すぐに買いたい」とは思っていません。段階的に信頼関係を築き、購入意欲を高めていく必要があります。
段階的なアプローチの例:
- ステップ1:認知・関心段階 → 業界の課題や最新情報を提供
「製造業界のDX化が進む中、御社はいかがですか?」 - ステップ2:検討段階 → 具体的な解決策や事例を提供
「同規模の会社では、こんな方法で課題を解決しています」 - ステップ3:比較・購入検討段階 → 導入の提案や無料相談を案内
「無料で導入シミュレーションできます」
③ 行動を分析・スコアリング=「美味しい料理かどうか判定する」
お客様がどのページを見たか、どのメールを開封したか、どのリンクをクリックしたかをシステムが記録します。これをもとに、「今すぐ連絡すべき顧客か」「まだ情報提供を続ける段階か」を判断できます。
3. MAを導入するとどう変わるか
先ほどのA社さんの例で説明します。MA導入後の変化:
- 資料請求後、自動でステップメール送信 → フォロー漏れゼロ
- お客様の行動をスコア化 → 優先度の高いお客様に集中
- 営業担当者は商談に集中 → 効率UP
- 結果:月10件の問い合わせで、従来1件だった成約が3件に増加
4. まとめ
BtoBビジネスでは、
- 購入決定まで時間がかかる
- 複数人が関わる
- 情報収集が重要
こうした特徴があります。マーケティングオートメーションを活用することで、
- お客様へのフォロー漏れを防ぐ
- お客様の関心度を可視化する
- 営業活動を効率化する
つまり、少ない人手でも効果的にお客様にアプローチできるようになります。
「自社でも導入したいけど、何から始めればいいか分からない」という方は、まずは資料請求やお問い合わせのフローを整理し、どのような情報をお客様に届けたいかを考えることから始めましょう。
