デジタルマーケティングとは?BtoB企業が押さえるべき基本的な考え方と全体像
はじめに
この記事では、「デジタルマーケティングとは何か」「なぜBtoB企業にとって必要なのか」、そして「何から始めれば良いか」までを解説します。
この記事を読むことで、「今の時代に合った売れる仕組み」を理解し、デジタル施策の全体像を把握できます。どんな順番で何を始めるべきかの道筋が見え、成果につながるマーケティングの第一歩を踏み出せるはずです。
1. デジタルマーケティングとは何か?
1-1. そもそも「マーケティング」とは?営業との違い
マーケティングとは「売れる仕組みをつくること」。営業とは「売る行為」そのもの。両者は役割が異なります。
営業は、お客様に商品やサービスを紹介し、実際に販売する仕事です。一方、マーケティングは、そもそも「売れる状態」を作る活動全般を指します。たとえば、商品を知らない人に情報を届けたり、興味を持ってもらう工夫をしたり、比較検討できる情報を用意したりすることです。
つまり、営業は「売る人」、マーケティングは「売れる環境を整える人」です。両方が連携することで、ビジネスはよりスムーズに回るようになります。
このようにマーケティングは、営業の前段階を支える大切な活動です。
1-2. デジタルマーケティングがBtoB企業に必要な理由
ウェブ活用が中小のBtoB企業に必要な理由は自社の商品が「知られていない」状態を打破し、見込み客との接点を増やせるためです。
中小に限らず、BtoB企業は、消費者向けの商品と違って「知られていないために検討されない」ことが大半です。また、複数人、複数部門で検討するため、情報提供のタイミングや内容が重要になります。
これを打開するのがウェブです。WebサイトやSNS、広告などを通じて、効率よく情報を届けたり、見込み客の興味を喚起したりできます。しかもウェブなら24時間365日、自社の魅力を伝えることもできます。
中小のBtoB企業こそ、限られたリソースでも成果を上げられる「ウェブの力」を活用すべきなのです。
1-3. オフライン施策との違いと組み合わせ方
オンライン=ウェブは「広く・継続的」に、オフラインは「深く・直接的」に働きかける手段です。
展示会、DM(ダイレクトメール)、訪問営業といったオフライン施策は、信頼関係を築くうえで今も有効です。一方で、見込み客を広く集めたり、情報発信を繰り返したりするのはウェブが得意です。
つまり、オフラインは「直接会って信頼を深める」、オフラインは「広く認知をとって接点を作る」もの。両者を組み合わせることで、より効果的な営業活動が実現できます。
オフラインとオンライン、両方の良さを活かすのがこれからの基本です。
2. デジタルマーケティングの全体像をつかむ
2-1. デジタル施策の8つの柱(Webサイト・SEO・広告・SNS・メール・ウェビナー・MA・コンテンツ)
デジタルマーケティングは複数の手段が組み合わせることで効果を発揮します。そのためには全体像を理解することが第一歩です。
BtoB企業が行う主要なデジタル施策には、次の8つの柱があります。
Webサイト:自社の情報を発信する「土台」です。商品情報、事例、会社概要などを掲載し、信頼感を醸成します。
SEO(検索エンジン最適化):Googleなどの検索結果に上位表示させ、自然流入を増やす手法です。
広告:リスティング広告やディスプレイ広告を活用し、狙ったユーザーにピンポイントでアプローチできます。
SNS(ソーシャルメディア):FacebookやLinkedInなどでの情報発信は、認知拡大や信頼構築に有効です。
メール:見込み客との関係を深める手段。定期的な情報提供でファンを育てます。
ウェビナー:オンラインセミナー形式で製品やサービスを紹介し、リード(見込み客)を獲得します。
MA(マーケティングオートメーション):顧客情報の一元管理や、メール配信の自動化などで効率化を図ります。
コンテンツ:ホワイトペーパーやブログ記事など、見込み客の課題や検討段階に応じて提供する情報資産です。単なるアクセス目的ではなく、信頼構築や理解促進に役立ちます。
これらを組み合わせて活用することで、「知ってもらう」「興味を持ってもらう」「問い合わせてもらう」までの流れを作ります。
まずは8つの施策の特徴を理解し、自社に合ったものから始めましょう。
BtoB特有の購買プロセスとコンテンツの関係
BtoBは購買までに時間がかかるため、段階に応じた情報提供(コンテンツ)が必要です。
BtoBの購買は個人の感情だけでは決まりません。上司や他部署の同意が必要だったり、複数の製品を比較検討したりと、プロセスが長く複雑です。 そのため、「どんな情報を、どのタイミングで届けるか」が非常に重要になります。
BtoBでよく活用される主なコンテンツには以下のようなものがあります。
ホワイトペーパー:課題認識や情報収集の段階で活用される専門的な解説資料。信頼感を高めるのに効果的です。
ブログ記事:ホワイトペーパーよりもカジュアルで、実務者が抱える悩みや課題に寄り添う形で情報提供するコンテンツ。SEO対策用記事とは異なり、アクセス獲得を目的とするのではなく、見込み客との関係構築や理解促進を重視します。
そして、それぞれの検討ステージに応じたコンテンツ設計が求められます。たとえばこんなイメージです。 最初の段階では、「課題を認識してもらう」ために、ブログ記事やチェックリストなどが効果的です。 興味を持ってもらったら、「自社が選ばれる理由」を伝える導入事例や比較資料、ホワイトペーパーを提供します。 検討が進んだ段階では、「導入後の効果」がわかる具体的な活用事例やFAQなどが有効です。
このように、段階に応じて役割の異なるコンテンツを準備することで、購買へと自然につなげていくことができます。
BtoBでは、顧客の検討ステージに応じたホワイトペーパーやブログ記事などのコンテンツ設計がカギになります。
3. 小さな会社でも始められる!最初にやるべきこと
3-1. すべてを一度にやろうとしない
限られたリソースの中では、最も効果が出そうな施策から順に始めるのが現実的です。 中小企業や少人数のチームでは、マーケティング活動に使えるリソースも限られていますので、すべてのデジタル施策を一度に進めるのは現実的ではありません。マーケティング担当者が他の業務を兼任していることも多く、やるべきことが多すぎて手が止まってしまいがちです。
まずは、自社にとって「最も成果に直結しそうな施策」から始めましょう。たとえば:
Webサイトが古い → 最低限のリニューアル
問い合わせがゼロ → SEOや広告を検討
見込み客との接点が少ない → ウェビナーやSNSで認知拡大
ポイントは、「理想」より「実行できるか」を重視すること。完璧を目指すより、試しながら前に進める方が結果的に成功への近道です。
最初からすべてを完璧にやろうとせず、自社に合った優先順位をきめて着手しましょう。
3-2. 自社の強みとターゲットを明確にする
誰に・何を届けるかが曖昧なままでは、どんな施策も効果は出ません。
マーケティングの基本は「自社の強みを、届けたい相手に、適切な形で届けること」です。しかし、ここがぼんやりしたままスタートすると、何を発信すべきかも、どこに広告を出すべきかも定まりません。
まずやるべきことは、次の2つです:
自社の強みの言語化
「他社と比べて、何が優れているのか?」「なぜ既存のお客様はうちを選んでくれているのか?」を整理しましょう。たとえば、「小ロット対応ができる」「技術サポートが手厚い」「担当者が柔軟に動いてくれる」など、現場レベルの視点がヒントになります。
理想のターゲット像の明確化
業種や役職だけでなく、「どんな課題を抱えている人か?」「どんな情報を求めているか?」まで考えることで、情報発信の方針がブレにくくなります。
これらがはっきりすると、ブログ記事や広告、営業資料の内容まで一貫性が出て、伝わりやすくなります。
施策を始める前に、「強み」と「誰に届けるか」をしっかり言葉にしましょう。
3-3. 小さく始めて、検証しながら改善する
最初から完璧を目指さず、「できることから試す」ことで成果が見えてきます。 デジタルマーケティングは、始める前から「何が正解か」は分かりません。なぜなら、業界や商材、ターゲットによって成果が出る施策は異なるからです。
最初から完璧な戦略や仕組みを作ろうとすると、準備ばかりに時間がかかり、肝心の「実行」や「検証」ができなくなります。 そのためおすすめなのが「小さく始めて、反応を見ながら改善する」というやり方です。
たとえば:
Webサイトに導入事例を1本掲載してみる
メール配信を月に1通だけ試してみる
ユースケースに関するブログ記事を1つ投稿してみる
このように「やってみる→反応を見る→少し変えてみる」を繰り返すことで、自社に合う施策が見えてきます。
まずは小さな一歩を踏み出し、「やってみて学ぶ」姿勢が成果につながります。
3-4. 社内の役割と進め方を決める
デジタル施策を継続・拡大していくためには、社内での役割分担と推進体制の整備が重要です。 「とりあえずやってみる」段階を越えて、継続的に成果を出していくためには、誰が何を担当するのかを明確にする必要があります。特に中小企業では、1人の担当者が多くの業務を兼任しているケースが多いため、負担を減らす工夫も必要です。
役割の例:
マーケティング担当者:全体の計画立案や、施策の実行・効果測定を担います。
営業担当者:見込み客の情報をマーケティングチームと共有し、フィードバックを行います。
経営層:リソース配分の判断や、全社的な方針の意思決定を行います。
外部パートナー:専門知識が必要な部分(広告運用、SEO対策、MAツール設定など)をサポートします。
また、最初の段階では社内全体で「まずやってみよう」という共通認識を持つことが成功のカギです。小さく成果を出しながら、徐々に社内の理解と協力を得ていきましょう。
社内の役割と進め方を明確にし、少しずつ組織としての動きをつくっていくことが重要です。
4. 見込み客を増やすための集客手法
4-1. 集客とは「接点を増やすこと」
BtoBにおける集客は、いきなり「買ってもらう」ことではなく、「まず知ってもらい、関心を持ってもらうこと」がゴールです。
集客というと、すぐに問い合わせや商談を生み出すイメージを持つかもしれません。しかしBtoBでは、ほとんどの人が最初は「あなたの会社の存在すら知らない」状態です。したがって、まずは自社の存在やサービスを知ってもらう「接点づくり」から始める必要があります。
この接点づくりの手段が、広告、SEO、SNS発信などの「デジタル集客施策」です。これらを通じて興味を持ってもらい、「詳しく知りたい」「相談したい」と思ってもらう流れを作ります。
BtoBの集客は「いきなり売る」ではなく「知ってもらう」が第一歩です。
4-2. 今すぐ取り組める集客の具体的手法
中小企業でも始めやすい集客手段を3つ紹介します。
SEO対策付きのブログ発信
自社サイト内にブログを設け、見込み客が検索しそうなキーワードで記事を書く方法です。
例:「製造業 ホームページ 作り方」「BtoB マーケティング 事例」など。
定期更新と読者の課題に寄り添う内容がポイントです。
リスティング広告(検索連動型広告)
「〇〇 比較」「〇〇 導入」など、今まさにサービスを探している人に対して表示される広告です。
費用対効果が高く、小さく始めやすいのが特徴です。
X(旧Twitter)やFacebookでの情報発信
BtoBでは「会社」ではなく「担当者個人」が情報収集するケースも多く、SNS活用が効果的です。
自社の専門性やノウハウを発信することで、興味・共感を持った方から問い合わせにつながることもあります。
無理なく始められる集客施策を選び、継続することが成果への近道です。
4-3. 効果的な集客のための考え方と注意点
「誰に向けて何を伝えるか」を明確にし、量より質を重視することが成功のカギです。
見込み客を増やすには、やみくもに手段を増やすのではなく、「誰に向けて発信するか(ターゲット)」「どんな悩みを解決できるか(価値)」を明確にすることが先決です。
また、アクセス数やフォロワー数などの“表面的な数字”にとらわれすぎず、問い合わせや商談につながる「質の高い接点」を意識することが大切です。
例えば、「資料ダウンロード→メールでフォロー→ウェビナー参加→個別相談」といったように、見込み客との関係性を徐々に深めていく設計も重要です。
集客は「数」ではなく「質と導線設計」がポイント。目的を明確にし、接点を丁寧に育てましょう。
4-4. コンテンツマーケティングの重要性と実践方法
BtoB企業では「売り込み」より「信頼づくり」が大切。コンテンツを通じて見込み客との関係を築くことで、長期的な成果につながります。 BtoBの商談は、すぐに契約へと進むケースは少なく、まずは「この会社は信頼できそうだ」「詳しそうだ」と思ってもらうことがスタートラインです。ここで力を発揮するのが、ブログ記事、事例紹介、ホワイトペーパー、チェックリスト、動画などのコンテンツマーケティングです。
自社の専門性や経験、課題解決のノウハウをわかりやすく伝えることで、検索からたどり着いた初対面の相手にも「信頼できそう」という印象を与えられます。広告とは違い、コンテンツは資産として残り、長期間にわたって効果を発揮します。
実践のポイントは以下のとおりです:
ターゲットを明確にする
この商品、サービスを使うと顧客のどの課題が解決するのか、どんな悩みを持つ誰に届けたいのかを決めます。
よくある課題や質問からテーマを考える
お客様が検索しそうな内容をブログや資料にしましょう。
役立つ内容を、わかりやすく提供する
売り込みではなく、「なるほど、ためになった」と思ってもらえることが大切です。
定期的に更新・発信する仕組みを作る
一度で終わらず、継続的に発信することが信頼につながります。
ダウンロード資料や導入事例で、次のアクションへ誘導する
コンテンツから「問い合わせ」「資料請求」などにつなげましょう。
見込み客との信頼関係を築くために、まずは「役立つ情報を発信する」ことがコンテンツマーケティングの第一歩です。地道な取り組みが、やがて確実な成果につながります。
5. 見込み客を“育てる”仕組みづくり
5-1. リードナーチャリングとは何か?
「リードナーチャリング」は、見込み客に継続的に情報提供し、購入意欲を高めていく取り組みです。
BtoBの営業は、問い合わせをもらってもすぐに契約につながるとは限りません。むしろ、「いま検討中」「数カ月後に導入を考えている」といった“将来の顧客”が多く存在します。
そこで重要になるのが「リードナーチャリング(見込み客の育成)」です。
たとえば、以下のような取り組みが含まれます。
メールマガジンで定期的に役立つ情報を届ける
導入事例や業界トレンドをタイミングよく案内する
ウェビナーなどで接点を持ち続ける
こうした継続的な関係づくりによって、まだ決断していない見込み客の信頼を高め、購買の後押しをしていくのがナーチャリングの目的です。
「問い合わせがない=終わり」ではなく、「関係を続けて育てる」視点が成果につながります。
5-2. ナーチャリングに効果的なコンテンツと接点
見込み客の関心を高めるには、段階に応じた“コンテンツ”と“接点づくり”がカギです。
ナーチャリングでは、ただ情報を送るのではなく、「相手が求めている情報を、適切なタイミングで届ける」ことが重要です。
以下のように、検討段階に応じて使い分けましょう。
まだ検討前の人向け:課題に気づいてもらう「業界トレンド」「チェックリスト記事」など
興味を持ち始めた人向け:自社の強みを伝える「導入事例」「Q&A集」「比較資料」など
検討が進んだ人向け:意思決定を後押しする「価格情報」「導入後の効果レポート」など
また、接点の持ち方としては、以下のような施策があります。
メール配信(ステップメールやニュースレター)
ウェビナー開催(リアルタイム or オンデマンド)
SNSでの継続的な発信
営業によるフォローコールや面談
「この人は今、何を知りたいだろう?」という視点で、接点とコンテンツを設計することがポイントです。
5-3. MA(マーケティングオートメーション)の活用
MAは、「必要な相手に、必要な情報を、自動で届ける」ためのツールです。
MAツールを活用すると、見込み客の行動履歴に応じて、自動的にメールを送ったり、スコアリングで優先度を見極めたりできます。
たとえば、
ホワイトペーパーをダウンロードした人に「活用方法の案内メール」を送る
ウェビナー参加者に「関連サービスの紹介」を自動送信する
Webサイトを何度も訪れている人を“ホットリード”として営業に引き渡す
といったように、「誰に、何を、いつ届けるか」を自動で最適化できます。
ツール例としては、HubSpot、Salesforce Pardot、List Finder、SATORIなどがあり、中小企業向けの国産ツールも増えています。
MAは「育成」を仕組み化し、限られた人手でも成果を最大化できる強力な味方です。
6. 小さな会社のための実行と改善の進め方
6-1. 完璧を目指さず「まずやってみる」がカギ
初めから完璧な施策を目指すのではなく、小さく始めて改善していくことが大切です。
デジタルマーケティングは、実際にやってみないとわからないことがたくさんあります。たとえば、「この言葉が響くと思ったけど、反応がなかった」「SNSよりもメールの方が反応が良かった」など、やってみて初めて見えることばかりです。
だからこそ、最初から完璧な計画を立てようとするより、「小さく始めて、振り返って、直す」ことを繰り返す方が、結果的に早く成果につながります。
小さく始めて、試しながら進める姿勢が成功への第一歩です。
6-2. 効果測定はシンプルでOK!見るべき指標を決める
難しい分析よりも、自社にとって意味のある数字を見て改善につなげましょう。
マーケティングの効果測定というと、「Googleアナリティクスの設定」や「CTR(クリック率)、CPA(顧客獲得単価)などの指標」といった言葉が浮かぶかもしれません。
しかし、最初はもっとシンプルで大丈夫です。たとえば、
Webサイトへのアクセス数
資料請求や問い合わせ件数
メールの開封率やクリック率
といった、自社の目的に直結する数字だけを見ましょう。見るべき数字を絞ることで、振り返りもシンプルになります。
自社の目的に沿った「見るべき数字」を1〜2個決めて追いかけましょう。
6-3. 振り返りと改善は「毎月1回」で習慣にする
定期的に振り返ることで、少しずつ確実に改善できます。 「やって終わり」では成果は出ません。マーケティングは、実行 → 計測 → 振り返り → 改善 の繰り返しが基本です。 おすすめは、月に1回だけでも必ず振り返る習慣をつけること。アクセス数や問い合わせ数の変化を見ながら、「どんな記事が読まれているか」「どの広告が成果につながったか」などを確認し、次のアクションに活かします。 担当者が1人しかいない場合は、メモに残すだけでもOK。外部パートナーと取り組んでいる場合は、月1回のミーティングを設定するとスムーズです。 毎月1回、シンプルな振り返りを行うことが成功の秘訣です。
6-4. 続けるコツは「成果が出た部分を強化する」こと
成果が出た部分に注力することで、自然とやる気も続きます。
すべての施策が成功するわけではありません。しかし、必ず何かしらの「手ごたえ」は出てくるはずです。
「この記事を出したら、問い合わせが増えた」
「広告でこのキーワードがクリックされた」
そんな小さな成功を見つけたら、それをもう一度やってみたり、似た施策を追加したりすることで、どんどん成果を大きくできます。
成果が出たところを強化することで、社内の理解も得られやすくなり、取り組みも継続しやすくなります。
小さな成功を見逃さず、そこを起点に育てていきましょう。
7. 社内や上司の理解を得るコツ
デジタルマーケティングの導入や施策継続には、社内の理解と協力が不可欠です。まずは「分かりやすさ」と「小さな成果の見える化」から始めましょう。
中小企業でマーケティングを担当する方の多くがぶつかる壁のひとつが、社内や上司からの理解不足です。特にデジタル施策は目に見える成果がすぐに出にくく、「それって本当に意味あるの?」と言われがちです。
そういったときは、次の3つを意識してみましょう。
1. 「数字」より「事例」で伝える
経営層や営業担当にマーケティングの価値を伝える際、いきなり専門用語や難しい指標を出すのではなく、実例を交えて伝えると効果的です。
「〇〇業界の他社では、こうした施策で月に〇件の問い合わせが増えています」
「この施策を通じて、営業が話しやすくなるような資料を用意しています」
といったように、「現場の役に立つ」ことをアピールしましょう。
2. 小さく始めて、小さく報告する
いきなり大きな予算や新しいツールを求めるのではなく、まずは無料ツールや少額の広告からテスト的に始めてみましょう。そして、小さな結果でもきちんと報告し、積み重ねることが信頼につながります。
「月に2件ですが、資料請求が発生しました」
「ブログ記事から初めて問い合わせが来ました」
といった“成功体験”を上司や社内に共有しましょう。
3. 営業や他部門と連携する
マーケティングは孤立しやすい部門です。営業チームと連携し、「どんな資料があれば営業しやすいか」「どんな情報をWebで見せたいか」などをヒアリングして、実際に反映することで、「役に立つ部署」としての認識を得られやすくなります。
小さな成功を共有し、実例ベースで価値を伝えることで、社内の理解と協力を少しずつ得ることができます。焦らず一歩ずつ進めていきましょう。
8. 成果につなげるための改善の考え方
8-1. 「やりっぱなし」を防ぐために
デジタル施策は「始めたら終わり」ではなく、「振り返って改善する」ことで初めて成果が見えてきます。
Webサイトや広告、メール配信など、どんな施策も「やって終わり」にしてしまうと、効果が見えづらくなります。デジタルの強みは「数値で振り返れる」こと。アクセス数やクリック率、CV率(問い合わせ・資料請求などの割合)などをチェックすれば、うまくいっている部分とそうでない部分が見えてきます。
特にBtoBのマーケティングでは、最初からすぐ成果が出ることは稀です。小さな改善を積み重ねて、少しずつ精度を上げていくことが必要です。
「一度やって終わり」ではなく、定期的に見直して改善する姿勢が大切です。
8-2. 改善の基本ステップ「仮説 → 実行 → 検証 → 改善」
改善には順序があります。いきなり大きく変えるのではなく、小さく試して、効果を確認しながら進めましょう。
改善を行う際には、次のようなサイクルを意識するとスムーズです。
仮説を立てる:「問い合わせが少ないのは、フォームの位置が分かりづらいのでは?」など、原因を予想します。
施策を実行する:例えば「フォームを目立つ場所に移動する」「CTAボタンの色を変える」など、改善案を実施します。
効果を検証する:変更前後で数値を比較し、仮説が正しかったかを判断します。
改善を加える:うまくいった点は維持し、足りない部分は再度見直します。
このPDCAに近いサイクルを何度も回していくことで、施策の精度が高まり、成果につながります。
小さな改善でも構いません。仮説と検証をくり返して、着実に前進していきましょう。
今こそ、小さなBtoB企業がデジタルに踏み出すとき
デジタルマーケティングは、決して大企業だけのものではありません。むしろ、限られた人員や予算の中で効率的に成果を出したい中小企業こそ、その力を最大限に活用すべきです。
本記事で解説してきたように、デジタル施策にはWebサイト・SEO・広告・SNS・メール・ウェビナーなど、さまざまな手法があります。しかし、すべてを一度に完璧にやる必要はありません。まずは自社の強みを整理し、見込み客とどんな関係を築きたいかを考えながら、小さく始めてみてください。
「売れる仕組み」をつくるのは、一歩ずつの積み重ねです。そしてその先には、属人的な営業に頼らずとも、安定的に見込み客が集まり、育ち、商談につながる流れを実現することができます。
迷ったら、まずはできるところから。今できることを、ひとつずつ取り組んでいきましょう。あなたの会社に合ったデジタルマーケティングの形が、きっと見えてくるはずです。
