BtoB企業のマーケティングと営業の連携:顧客獲得と売上アップの秘訣
BtoBビジネス(企業向けビジネス)を成功させるには、マーケティングと営業が手を取り合うことが欠かせません。ただ情報を共有するだけでなく、まるでチームのように協力し合うことで、新しいお客さんをどんどん獲得し、売上を大きく伸ばせるようになります。
この記事では、なぜマーケティングと営業の協力が重要なのか、どうすればうまく連携できるのか、そして連携を成功させるための情報共有や目標の立て方について、初心者の方にも分かりやすく解説します。
1. なぜ、マーケティングと営業の連携が大事なの?
1-1. 連携なしではお客さんを獲得できない理由
BtoBビジネスのお客さん(企業)は、何かを買うとき、とても慎重です。ひとりの担当者が勝手に決めるのではなく、社内の複数の人が関わって、時間をかけてじっくりと検討します。ウェブサイトやパンフレットを読んだり、競合と比べたりしながら、「本当にこのサービスで会社の課題が解決できるのか?」ということを、徹底的に調べます。
こんな複雑な購買プロセスに対応するには、マーケティングと営業の協力が不可欠です。
マーケティングの役割: まずは、幅広いお客さんに「こんな課題はありませんか?」と問いかけ、解決策を提示します。ウェブサイトやブログ記事、SNSなどで情報を発信し、興味を持ってもらうことで、お客さんとの最初の接点を作ります。
営業の役割: マーケティングが興味を持たせたお客さんに対して、今度は個別に深く関わっていきます。じっくり話を聞いて、その会社ならではの困りごとを突き止め、解決できる特別なプランを提案し、信頼関係を築いて契約につなげます。
もし、この2つの部署がバラバラに動いていたらどうなるでしょうか?
マーケティングが発信した情報と、営業が話す内容が違っていたら、お客さんは「この会社、言ってることとやってることが違うな」と不信感を抱き、他社に流れてしまうかもしれません。連携してひとつの方向を向くことこそが、お客さんに安心感を与え、最終的に契約してもらうための唯一の道なのです。
1-2. 役割は違えど、ゴールは同じ
マーケティングと営業は、それぞれ得意なことが違います。
マーケティング: データを分析して、市場全体を見渡した戦略を立てたり、たくさんの人に情報を届けたりするのが得意です。質の高いコンテンツを作って、お客さんの「知りたい」という気持ちを育てます。
営業: 1人ひとりのお客さんと向き合い、じっくり話して、その悩みに寄り添った解決策を提案するのが得意です。お客さんと顔を合わせ、信頼関係を築き、契約を勝ち取ります。
役割は違っても、両者の最終的なゴールは「売上を最大化する」ことで同じです。マーケティングが質の良いお客さんをたくさん集めてくれれば、営業は効率よく商談を進められ、成約率が上がります。反対に、営業が現場で得たお客さんのリアルな声は、マーケティングが戦略を立てる上で非常に貴重な情報となります。
このように、お互いの強みを活かし、共通のゴールに向かって協力し合うことで、会社全体の成長スピードを加速させることができます。
2. 具体的な連携方法
2-1. お客さんの獲得から育成まで、連携して進める
マーケティングは、お客さんを集める(リードジェネレーション)だけでなく、そのお客さんを育てる(ナーチャリング)ことにも力を入れます。しかし、これを成功させるには営業との協力が欠かせません。
ここで役立つのが、ホワイトペーパーです。ホワイトペーパーとは、お客さんの抱える課題の解決策や、業界の詳しい情報をまとめた資料のことです。
マーケティング: お客さんが「知りたい!」と思うようなテーマで、質の高いホワイトペーパーを作ります。
営業: ホワイトペーパーをダウンロードしたお客さん(見込み客)は、そのテーマに課題を持っている可能性が高いので、ダウンロード履歴を見て、その課題に合わせたより具体的な提案をします。
たとえば、「人手不足の解決策」に関するホワイトペーパーをダウンロードした企業があれば、営業担当者は「同じ業界のA社では、こんな方法で人手不足を解消できましたよ」といった具体的な成功事例を提示することで、話がスムーズに進みます。
このように、マーケティングと営業が協力して、お客さんを上手に育てていくことで、契約につながる可能性が大きく高まります。
2-2. お客さんの状況に合わせて情報を提供する
マーケティングが育てたお客さんを、営業が引き継いだ後も、連携は続きます。お客さんの購買プロセスは、以下の段階に分かれており、それぞれで必要とする情報が違います。
初期段階: 「何か課題がありそうだな」と気づき始める段階。
→ 課題や解決策のヒントになる情報が必要です。
比較・検討段階: いくつかのサービスを比べている段階。
→ 競合との違いや、他社の導入事例など、意思決定に必要な情報が必要です。
最終段階: 契約するかどうかを迷っている段階。
→ 価格や契約条件、導入後のサポート体制などが知りたい情報です。
マーケティングは、これらの段階に合わせて、営業が提供するべき資料(製品パンフレット、競合比較表、顧客の成功事例、デモ動画など)を事前に用意しておきます。
さらに、営業は、お客さんとのやり取りで得た「こんな情報がもっと欲しい」という声をマーケティングに伝え、新しいコンテンツ作りに活かします。お互いに情報をやり取りすることで、お客さんの心をつかむ、より良い情報提供ができるようになります。
3. 連携をスムーズにするためのコツ
3-1. 顧客データを共有する
マーケティングと営業が同じ方向を向くには、お客さんに関するあらゆる情報を共有することが不可欠です。
お客さんの困りごと: 問い合わせ内容や商談で聞き出した話
お客さんの行動: ウェブサイトをどれくらい見てくれたか、どの資料をダウンロードしたか
お客さんとのやり取り: 電話やメールのやり取り、商談の内容
これらの情報を、顧客管理システム(CRM)やマーケティングオートメーション(MA)といったツールでひとつにまとめて、誰でも見られるようにしておきましょう。ツールがなくても、日々の業務の中で、営業が商談の様子をチームに共有したり、マーケティングがウェブサイトの動きを報告したりするだけでも、大きな一歩となります。
3-2. 一緒に追いかける目標(KPI)を立てる
マーケティングと営業が、それぞれ独自の目標だけでなく、共通の目標を持つと、協力意識が高まります。
共通の目標(KPI)を立てる際のポイントは、以下の3つです。
売上につながる目標にする: 最終的な売上目標にどう貢献するかを明確にします。
プロセスを見える化する: お客さんの獲得から契約までの流れ全体を把握できる目標にします。
具体的な数字で測れる目標にする: 進み具合が客観的に分かるようにします。
具体的な例としては、以下のような目標が考えられます。
リードから商談への移行率: マーケティングが集めたお客さんのうち、営業が商談にこぎつけた割合
商談から成約への成約率: 営業が担当した商談のうち、契約につながった割合
はじめからたくさん目標を立てる必要はありません。まずは売上や契約数といった基本的な数字から始めて、徐々に広げていくと良いでしょう。大切なのは、目標を通じてお互いに協力し、より良い方法を探していくという習慣を作ることです。
まとめ
マーケティングと営業の連携は、ただの「業務」ではなく、お客さんを一番に考える会社になるための重要な戦略です。
特に、中小企業のようにリソースが限られている場合は、この連携を成功させることが、成果を出すための近道となります。
もし、まだ何から始めたらいいか分からない場合は、次のステップから始めてみましょう。
「お客さんの課題解決に役立つ質の高いホワイトペーパーを1つ作り、それをダウンロードしたお客さんの情報を営業と詳しく共有する」
このシンプルな取り組みだけでも、質の高いお客さんを獲得し、契約率を上げるための重要な第一歩となります。なぜなら、お客さんの悩みに寄り添うことから、強い信頼関係が生まれるからです。
あなたの会社も、マーケティングと営業が協力する「顧客中心のチーム」を目指して取り組んでみてください。
